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契約書と印鑑
  • 引越し予約のキャンセル料は、多くの場合、引越し予定日の3日前までであれば発生しません。
  • 引っ越し2日前にキャンセルする場合は、見積運賃等の20%以内、前日は30%以内、当日は50%以内のキャンセル料がかかります。
  • 入居申し込み後は「仮押さえ」状態のため、キャンセルしても費用はかかりませんが注意が必要です。

入念に準備を進めていた引越しでも、何かしらの事情でスケジュールの変更が必要になるケースもありますよね。そうした場合、引越しの予約はどのようにキャンセルすれば良いのでしょうか。この記事では入居申し込み後や退去予告後の引越しのキャンセル可否について解説します。キャンセル料の有無についても詳しくお伝えするので、引越しのキャンセルを検討する際の参考にしてください。

引越しの予約キャンセル

万年筆とキャンセルの文字

キャンセル料が発生しない場合

引越し予約のキャンセル料は、多くの場合、引越し予定日の3日前までであれば発生しません。引越し業者の多くは、引越し業者と申込者(引越しをする人)の間で守るべき基本的なルールとして国土交通省の「標準引越運送約款」に則ってサービス運営を行っています。引越し業者は約款の第三条第七項の規定に基づき、見積書に記載した荷物の引越し予定日の3日前までに申込者に契約内容の変更の有無について確認する義務があります。この時点で引越しをキャンセルすると伝えれば、3日前に該当するため約款の第二十一条に基づいてキャンセル料は発生しません。また、引越し業者が事前の契約内容の変更有無の確認連絡を怠った場合、3日前を経過してキャンセルしてもキャンセル料は請求されないということも覚えておきましょう。

なお、前述のとおり3日前までのキャンセルや引越し業者の都合が原因の契約変更の場合はキャンセル料が発生しないのが原則ですが、引越しの予定に変更がある場合やより良い条件の引越し業者を見つけた場合は、なるべく早めにキャンセルを申し出るようにしましょう。引越し業者の都合を考慮して、キャンセルが確定次第早めに連絡するのがマナーです。

また、キャンセルと同様に、引越しを延期する場合も延期手数料が発生するため注意しましょう。キャンセル・延期、いずれも3日前までに引越し業者に伝えることがキャンセル料や延期手数料の発生を防ぐポイントです。

キャンセル料が発生する場合

国土交通省の「標準引越運送約款」第二十一条に基づき、キャンセル料が発生するのは引越しの「2日前」、「前日」、「当日」です。キャンセル料および延期手数料の額は以下のとおりです。

2日前 見積運賃等の20%以内
前日 見積運賃等の30%以内
当日 見積運賃等の50%以内

なお、引越し業者のなかには独自の約款を採用している場合もあるため、提示された約款は必ず確認しておきましょう。引越し予定日に近づくほどキャンセル料や手数料が高くなってしまうので、しっかりとスケジュール管理をすることが重要です。やむを得ない事情で急遽キャンセルや延期をする場合は、引越し業者に相談して手数料の額を最小限に抑えてもらうなどの交渉をしてみるのも良いかもしれません。

そのほかの気になるポイント

ポイント|「POINT」と書かれた積み木と電球

下見を伴う見積もり料

引越し業者が家に訪問して下見する形式の見積もりを行った場合、キャンセル料に加えて訪問の際にかかった出張料などの経費を請求される可能性があります。たとえキャンセル料が発生しない時期のキャンセルであっても、下見の経費分だけはすでに発生した費用として請求されるケースもあるため注意が必要です。

ただし、標準引越運送約款では見積もりに伴って下見をする際は、下見にかかる費用を依頼者に通知して許可を取るように定められています。そのため、基本的に想定より高い金額を請求される心配はありません。ただし前提として、引越し業者に見積もりを依頼するときは、あらかじめその業者が標準引越運送約款に基づいた運営をしているか確認しておくのが安心でしょう。

利用済みのオプションサービス

不用品の回収やエアコンの取り外しなどのオプションサービスを既に利用している場合は、オプション料金を支払わなければなりません。標準引越運送約款において、引越しに附帯するサービスを提供した際は費用を請求することが規定されているからです。したがって、キャンセル料が発生しない期間内にキャンセルしたとしても、オプションサービスに関する費用は支払う必要があります。契約時点でダンボールやガムテープなどの梱包資材をもらって使用した場合、キャンセルするとそれら資材の費用を請求される場合もあるため注意しましょう。

入居申し込み後のキャンセル

ソファーに座ってNGのジェスチャーをする若い女性

そもそも仮押さえとは

入居申込書を提出して気になる物件を押さえておくことです。賃貸物件は原則として先着順のため、「借りるかわからないが、今のところ押さえておきたい」というようなことはできません。しかし、入居申し込みをして審査を受けている間は物件を押さえておけるため、この状態を「仮押さえ」と呼んでいます。

なお、複数の不動産会社で異なる物件を仮押さえする行為はマナー違反に当たるため避けた方が良いでしょう。気になる物件を複数押さえておきたいのというのは誰しもが思うことですが、入居申し込み後の審査中は物件の公開を停止するため、契約の機会を逃していることになります。従って、入居申し込みの審査中にキャンセルすると不動産会社や大家さんに迷惑をかけてしまいます。また、なかには同じエリアに複数の物件を所有している大家さんも存在するため、キャンセルした物件と次に入居申し込みが同じ大家さんだった場合、印象が悪くなってしまい入居審査の通過に影響が出る可能性もあるかもしれません。

仮押さえに必要な費用

入居申し込みの際、不動産会社によっては申込金が必要な場合があることを念頭に置いておきましょう。申込金は「この物件を借りたい」という意思表示として不動産会社に支払う一時金のことです。申込金は家賃1ヶ月分までが一般的ですが、なかには持ち合わせの金額で問題ないとする不動産会社も存在するため、一度相談してみることをおすすめします。

なお、宅地建物取引業法(宅建業法)で不動産会社はキャンセルに際して受領している申込金の返却を拒否することを禁じられています。従って、キャンセルした場合、申込金は原則として返却されますが、トラブルを防ぐためにもキャンセル時に返却してもらえるか確認しておきましょう。

申込金を支払う際は「預かり証」を発行してもらうのが重要です。預かり証を受け取ったら必ず会社印や発行日、金額に間違いがないか、そして「預かり金」と記載されているかを確認します。「手付金」と記載されている場合は返却してもらえないため、注意が必要です。なおキャンセルせずに契約成立した場合は、申込金は敷金や礼金などに充当されることも覚えておきましょう。

入居申し込み後にキャンセルする場合

前述のとおり、仮押さえ後、すなわち入居申し込み後でも原則としてキャンセル可能です。ただし、「重要事項説明」を受ける場合は申込金が返却されない可能性があるため注意しなければなりません。重要事項説明とは、宅地建物取引士の資格を有する担当者が申込者に対して書面を読み上げて、物件の状態や契約条件を詳しく伝える説明のことをいいます。契約書を交わしていなくてもこの説明を受けると契約の意思があるとみなされ、申込金を返金できない「手付金」として処理される可能性があります。そうなると申込金を返却してもらえないため、キャンセルをする場合は重要事項説明を受ける前になるべく早めに申し出ましょう。

やむを得ない理由で契約成立後にキャンセルすると解約扱いになります。この場合、通常の退去者と同等の対応になるため、契約直後の解約であっても初期費用や発生した家賃は返金されない可能性が高いでしょう。キャンセルする場合は、重要事項説明を受けたり契約書にサインしたりする前の入居審査をされている段階で不動産会社に申し出ることが重要です。従って、仮押さえできる期間は入居審査が完了する2日~1週間程度と考えておきましょう。

退去予告後のキャンセル

ビジネスマン【ダメ、ぜったい】

退去予告とは

引越しをする際は、賃貸契約書に記載された期限までに部屋を出ていく旨を事前に伝える「退去予告」をしなければなりません。期限は物件によって異なりますが、多くの場合、退去日の1~2ヶ月前までとされています。電話や書類など、通知方法も賃貸契約書にて確認しておきましょう。退去予告の期限よりも遅く通知をした場合、余分な家賃が発生して新居と二重家賃になり得るため注意が必要です。

なお、多くの場合、契約期間中の退去であっても違約金は発生しません。ただし、1年未満の退去に対して違約金の特約を設けている物件や、契約期間中家賃を払い続ける義務がある「定期借家契約」の物件の場合は、違約金の発生や途中退去が認められない可能性もあります。

退去予告後は原則としてキャンセルできない

一旦退去予告をしたら、貸主の同意がない限り原則としてキャンセル(撤回)できません。退去予告を受けた貸主は速やかに次の貸主の募集をするからです。しかし、新規の応募者がいないなど、次の入居者が決まっていない場合は撤回できる可能性もあります。そのため、まずは管理を担当している不動産会社に相談してみましょう。

退去予告のキャンセルが不可だった場合は、予告期間満了までに退去する必要があります。借主にやむを得ぬ事情があったとしても、貸主は借主に対して退去の請求だけでなく賃料相当額の使用損害金を請求する権利があるからです。トラブルを避けるためにも、速やかに退去しましょう。

まとめ

「好条件の引越し業者を他に見つけた」、「転勤が中止になった」など、引越しの予約をやむを得ずキャンセルしなければならない場合もあるでしょう。どのような理由であっても、キャンセル料の発生や引越し業者のスケジュールを考慮してキャンセルするとわかった時点で速やかに引越し業者に連絡することが重要です。引越しをせずに現時点で生活している物件に住み続ける場合は、退去予告を撤回できるか相談し、不動産会社の指示に従って適切な行動をとってください。