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国民健康保険証

引越しをする際にはさまざまな手続きが必要になりますが、なかでも国民健康保険の住所変更は大切です。健康保険は私たちが病院にかかる時に欠かせないものなので、忘れずに手続きを済ませましょう。この記事では、国民健康保険の制度とその手続きについて解説します。

※詳細は自治体によって異なるため、必要に応じて事前に各自治体にお問い合わせください。

国民健康保険とは

国民健康保険は日本国民が何らかの保険制度を利用できるようにと設けられた保険で、保険組合や共済組合などの社会保険に加入していない人が加入します。社会保険と異なり、引越しで住所が変わったときは市区町村の役所に行き自分で住所変更の手続きを行わなくてはなりません。国民健康保険が使えないと医療費の負担が大きくなるため、住民票の異動(移動)と同様に必ず手続きを行いましょう。ここではまず国民健康保険の概要について解説します。

国民健康保険と社会保険の違い

日本の保険制度の基本である「国民皆保険制度」は、国民全員が公的医療保険を利用できる制度です。医療保険には勤務先や年齢によっていくつかの種類がありますが、民間企業に勤務している方とその扶養家族は保険協会や保険組合の健康保険に加入し、船員は船員保険、公務員は共済組合に加入するのが一般的です。このように、勤務先に雇われている方が入る医療保険を「社会保険」と呼びます。(厳密には、社会保険は医療保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険の総称です。)

一方、それ以外の方が加入するのが「国民健康保険」です。また、75歳以上の高齢者は「後期高齢者医療制度」の適用となります。国民健康保険加入者は住んでいる市区町村で諸手続きを行いますが、社会保険加入者はそれぞれの協会や組合で諸手続きを行います。

国民健康保険加入者は引越し後に手続きが必要

引越しをした場合、健康保険の住所変更の手続きが必要です。社会保険に加入している方は、勤務先に引越ししたことを申告すれば手続きを行ってくれますが、国民健康保険の場合は自分で役所・役場へ出向いて手続きする必要があります。転出届や転入届、転居届の手続きを行っても、自動的に国民健康保険の住所変更が行われることはありません。

なお、手続きの期限は引越しから14日以内と決められています。その間に手続きをしないと医療費は全額自己負担になってしまうため、忘れずに行いましょう。

国民健康保険の住所変更方法

引越しの前後で2回手続きが必要になる場合があります。同じ市区町村内での引越しであれば1回で終わりますが、異なる市区町村に引っ越す場合は旧住所と新住所のそれぞれで役所での手続きが必要なのです。手続きに必要なアイテムは、身分証や印鑑、保険証などいくつかあるため、事前に確認して忘れずに持参しましょう。

引越し前の手続き

国民健康保険の住所変更手続きは、住んでいる市区町村からほかの市区町村へ引越しする場合と同じ市区町村内で引越しをする場合とで異なります。

ほかの市区町村へ引越しをする場合

旧住所のある市区町村の役所・役場で資格喪失の手続きを行います。手続きに必要なものは、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類と保険証、印鑑などです、この手続きの際に保険証を返却します。役所・役場での手続きになるため、転出届を提出するタイミングで一緒に行うと良いでしょう。

同じ市区町村内で引越しをする場合

役所・役場の窓口で住所変更の手続きを行う必要があります。この場合も、転居届を提出するタイミングで行うと良いでしょう。

なお、引越しを機に就職するなどして社会保険に加入する場合にも、資格喪失の手続きが必要です。手続きを忘れると保険料の支払いが発生してしまうこともあるため、忘れずに行いましょう。

引越し後の手続き

新居への引越しが完了したら、ほかの市区町村から転入した場合であれば新住所の市区町村役所・役場で加入手続きを行います。手続きに必要なものは、旧住所地の転出届や本人確認書類、印鑑、銀行口座の確認できるものなどです。転入届を提出する際に一緒に手続きすると良いでしょう。加入の手続きが完了すると、保険証が窓口で交付されるか新住所に郵送されます。

なお、同じ市区町村内で引越しをした場合は、転居前に住所変更の手続きを行っていれば特に追加の手続きは必要ありません。

引越し時の国民健康保険にまつわる疑問と対処法

引越しに伴って国民健康保険の手続きを進める際、人によっては迷うことがあるかもしれません。たとえば、旧住所か新住所の手続きが遅れてしまった場合や、新しい引越し先で手続きをする前に病院を利用する場合などを想像してみましょう。さらに、手続き自体は進めていたとしても、新しい保険証が手元にないうちから病院にかかることもあるでしょう。いずれの場合も対応が遅れると余計な出費や手間が発生してしまうため、あらかじめ起こり得るパターンと対処法を把握しておきましょう。

旧住所での資格喪失手続きが遅れた場合

引越し前に旧住所での資格喪失手続きを忘れてしまった場合はどのような問題が起こるのでしょうか。

国民健康保険の資格喪失日は、届け出日ではなく異動のあった日(転出日、またはほかの健康保険の資格を取得した日など)となります。そのため、資格喪失の手続きを行わずに転出し、その後旧住所の国民健康保険証を使用して病院などにかかった場合、国保から支出した医療費を全額返納しなければなりません。また、手続きが遅れると、本来支払わなくてよい保険料を払わなければならなくなる場合もあります。

引越し後でも手続きは行えますが、旧住所の市区町村の役所・役場まで行って手続きしなければならず手間がかかります。そのため、引越し前に忘れずに手続きするようにしましょう。

新住所での加入手続きが遅れた場合

資格喪失の手続きは行っていても、新住所で加入手続きを忘れてしまった場合も余計な費用がかかります。そもそも加入日(資格取得日)とは、届け出日ではなく異動のあった日(転入日、前に加入していた保険の資格を喪失した翌日など)です。したがって、資格取得日から14日以内に手続きをしなかった場合、その間の医療費は全額自己負担となります。また、加入の手続きが遅れてしまって国民健康保険を使用できなかった期間の分も、資格取得日まで遡って保険料を支払わなければなりません。

新住所で手続き前に病院にかかった場合

先にも挙げたとおり、国民健康保険の加入手続きをしないまま病院にかかった場合、医療費は全額自己負担となります。加入手続き後に申請をすれば自己負担分との差額は療養費として返金されますが、療養費の申請は2年で時効となるため、医療費を支払った翌日から2年を過ぎると返金されません。また、旧住所の国民健康保険証を使用して病院にかかった場合は、旧住所の国保が負担した金額を後日請求されることになります。

手続き中で保険証が届く前に病院を受診したい場合

国民健康保険の加入手続きをすると、国民健康保険証が交付されます。交付の方法は自治体や申請者の状況によって異なり、窓口交付の場合と自宅に郵送される場合があります。では、手続きをしてから保険証を受け取るまでの間に病院を受診したいときには、どうすれば良いのでしょうか。

通常、医療機関で保険証を提示できずに受診する場合、後日持参する旨を医療機関に伝え、まずは一度全額を支払います。後日、その医療機関に保険証を持っていけば自己負担分を除いた金額の払い戻しを受けることができます。これは引越しに伴う手続き中だけではなく、単に持っていくのを忘れてしまったり、緊急時や外出中で保険証を持っていなかったりした場合などにも利用できる方法です。ただし、自治体によっては郵送などで保険証の交付に時間がかかる場合、保険証の代わりに医療機関に提示できる「仮の保険証」を窓口で渡してもらえることがあります。受診を急ぐ場合は、手続きの際に相談してみると良いでしょう。

引越しの際に必要な国民健康保険以外の手続き

国民健康保険以外にも、住所変更の際は国民年金や印鑑登録の手続きも必要です。これらの手続きを忘れてしまうと、けがや病気をしたときや年金の受け取り、重要な契約などに大きく影響が出てしまいます。転居届、転入届の提出をする際に、一緒に手続きしてしまいましょう。

国民年金

国民健康保険と同じく国民年金も、勤務先で厚生年金保険に加入している方と、その扶養家族以外でかつ20歳以上60歳未満の方は全員が加入しなければなりません。引越しをした場合、マイナンバーと基礎年金番号の紐づけをされている方は特に手続きは必要ありませんが、そうでない場合は、役場での住所変更手続きが必要です。自分のマイナンバーと基礎年金番号が紐づいているかどうかは、「ねんきんネット」や住んでいる地域の年金事務所で確認できます。

印鑑登録

引越しの際に役所・役場で手続きが必要なものとして、上記のほかに印鑑登録があります。印鑑登録とは、住んでいる自治体に印鑑を登録し、いざというときに自治体から本人の印鑑であるという印鑑証明書を発行してもらえるという制度です。

ほかの市区町村に引越しする場合は、旧住所の市区町村の役所・役場で登録廃止の手続きを行い、新住所の市区町村役場で登録の手続きを行います。同じ市区町村内での引越しの場合は、転居届を提出すれば自動的に住所変更が行われるため手続きは必要ありません。

まとめ

この記事では、引越しの際に必要な手続きのなかでも重要な国民健康保険の手続きとその制度について解説しました。引越しではさまざまな手続きや作業が発生しますが、一つずつ行っていけば必ず終わります。特に国民健康保険は生活の基盤となる重要な制度なので、新生活で余計な悩みごとを増やさないためにも、うっかり手続きをし忘れてしまったということがないようにしたいものです。重要な手続きについてはチェックリストを作成するなど、計画を立てて忘れずに進めていきましょう。