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印鑑登録証明書と印鑑

印鑑証明は賃貸物件の契約や不動産の購入の際に必要となることが多いので、引越しの際に発行などの手続きを進めている方もいるでしょう。この記事では、印鑑証明の発行方法や必要となる場面、引越しの際の印鑑登録の手続きについてわかりやすく解説します。

印鑑証明とは

印鑑登録証(印鑑登録カード)と印鑑証明の違い

印鑑を押印することは、「その書類の内容を理解し承認しました」という意味合いを持ちます。特に契約書などの大切な書類には、実印の押印を求められるケースが多いでしょう。実印とは役所に登録している印鑑のことであり、「この押印は確かに本人のものである」と証明できる印鑑です。実印の証明書として、各自治体から「印鑑登録証明書(印鑑証明)」が発行されます。

印鑑証明を発行してもらうためには、まず住んでいる自治体に印鑑の登録をする必要があり、このときに「印鑑登録証(印鑑登録カード)」が発行されます。印鑑登録証は、後日印鑑証明を請求する際に必要になるため大切に保管しましょう。

なお、万が一にも印鑑登録証を紛失してしまった場合は、お住まいの自治体に「印鑑登録証亡失届」を届け出て再度登録の申請を行う必要があります。

印鑑証明の発行方法

印鑑証明は、印鑑登録が済んでいれば必要なときに請求して発行してもらえます。印鑑証明を発行してもらう方法は、大きく分けて二つあります。

  • 自治体の役所・役場や行政サービスコーナーなどの窓口で発行してもらう方法
    窓口備え付けの交付申請用紙に必要事項を記入して提出します。このとき、印鑑登録証またはマイナンバーカードと、本人確認書類、手数料300円が必要です。また、窓口では代理人による申請も行えます。この場合、本人の印鑑登録証と代理人の本人確認書類、手数料300円が必要です。なお、代理人による申請の場合、マイナンバーカードは使用できません。
    注意すべきなのは、申請する本人の印鑑登録証が必要だということです。例えば妻が夫婦2人分の印鑑証明を申請する場合、妻の印鑑登録証だけではなく夫の印鑑登録証もなければ申請できません。印鑑自体は持っていたとしても申請できませんので、忘れずに持って行きましょう。
  • コンビニエンスストアのマルチコピー機を使って発行する方法
    住んでいる自治体がコンビニ発行に対応していれば、マルチコピー機を使って発行できます。この場合は、印鑑登録証ではなくマイナンバーカードを使用します。申請用紙の記入や本人確認書類は必要ありませんが、代わりに暗証番号の認証が必要です。手数料は200~250円と窓口より安い場合もあるものの、自治体により異なるためホームページなどで確認しましょう。ただし、コンビニエンスストアでの発行は代理人が行うことはできません。

印鑑証明の有効期限

印鑑証明は、印鑑の変更がない限り有効期限はありません。ただし、契約の時などに書類の期限を設定される場合があり、例えば「3ヶ月以内に発行された印鑑証明」などと指定されます。この場合は、トラブルを避けるためにも指定期間内に発行された印鑑証明を使用するようにしましょう。

また、引越しで住所が変わった場合、旧住所が記載されたものは無効となります。引越し後に重要な契約などで印鑑証明を使用する予定がある場合は、転居後できるだけ早く手続きを済ませておきましょう。

印鑑登録とは

前述したとおり、印鑑登録は「押印された印鑑が確実に本人のものである」と公的機関である自治体が保証するための制度です。住んでいる自治体の役所・役場で印鑑を登録することにより、必要なときには役所・役場から印鑑証明を発行してもらえます。この制度は、日本在住で15歳以上であれば利用できます。

登録できる印鑑には条件があります。大きさが1辺8mm~25mmの正方形に収まるものであること、そして住民基本台帳または外国人登録原票に記載されている「氏名」または「氏」、「名」、「氏」と「名」の一部を組み合わせた文字が入っていることです。形は特に指定されていませんが、ゴム印・プレス印などの変形しやすい素材のものは使用できません。また、登録できるのは一人につき1個です。さらに、使用できないわけではありませんが、大量生産で安価に市販されているいわゆる三文判などは使用を控えた方が良いでしょう。これらの条件は自治体によって多少異なる場合があるため、事前に確認をしておきましょう。

印鑑証明や実印が必要なケース

印鑑証明と実印は、押印した印鑑が本人のものかどうかを自治体が証明してくれるもので、社会的信頼度の高いものです。そのため、高額取引の契約や信用の証明が必要な書類、本人確認が必要な場合など重要な局面で求められます。ここでは、具体的にどのような場面で提出が求められるのか見ていきましょう。

賃貸物件の契約

住宅の賃貸契約書に契約者本人が押印する印鑑は、原則は実印でなくても構いません。しかし、実際には実印と印鑑証明を求められることが多いようです。これには、賃貸の契約は高額になることが多いため、契約の信用度を高める目的で実印の押印を規定している不動産会社が多いという事情があります。

また、連帯保証人については必ず実印と印鑑証明が求められます。連帯保証人の場合、例えば適当に名前を書いて市販されている三文判を押されてもわからないということになってしまいます。このような不正防止と本人確認のために実印と印鑑証明が必要なのです。

不動産の購入や売却

不動産の売買の際に交わされる契約書にも、法律などに「実印でなくてはならない」という規定はありません。しかし、実際には実印を押印することが求められるケースが大半です。その理由は、一つは売主が本当に不動産の持ち主かどうか確認するため、もう一つは心理的に契約の重要性を高めるためです。それだけではなく、所有権移転のための手続き(登記)や住宅ローンなどの金融機関の手続きにも本人照合が必要となります。いずれも、安全な取引のために信用度の高い実印と印鑑証明が用いられるのです。

自動車の購入や売却

自動車の売買の際にも、実印と印鑑証明が必要になります。自動車は高額なもので資産として国に登録されるため、売買の際には所有権の移転の手続きで本人確認が必要となります。その際に求められるのが実印と印鑑証明です。

印鑑証明には、実印の印影とともに本人の氏名、住所、生年月日などが記載されており、その印鑑を押したのが誰なのか、ということが客観的に証明できる書類です。そして、新車の購入時だけではなく中古車の購入でも提出を求められます。ただし、とても安く販売されている軽自動車などは、資産としての価値が低いため、実印でなくても契約できるケースもあります。

ローンの申し込み

住宅ローンや自動車のローンなど、金融機関で高額な借り入れをする際には審査が行われますが、借り入れ申し込み時の書類には必ず実印と印鑑証明が求められます。金融機関はその書類と住宅や自動車の購入時の契約書に同じ印鑑が押されているかを照合し、購入者とローンを申し込んだ人物が同一人物であることを確認して契約した商品の引き渡しを行うのです。

引越し時の印鑑登録に関する手続き

利用する機会が多くあるわけではない実印と印鑑証明ですが、重要な契約などの際には必要となるため、引越しで住所が変わるときには、忘れずに手続きをしましょう。

印鑑登録廃止の方法

現在住んでいる市区町村から転出する場合は、現住所地での印鑑登録を廃止して、新しい住所地で登録するという流れになります。手続きは役所・役場で行うため、印鑑登録の廃止は転出届を出すタイミングで一緒に行うと良いでしょう。

手続きに必要なものは、印鑑登録廃止申請書、登録している印鑑、印鑑登録証(印鑑登録カード)、本人確認書類です。印鑑登録廃止申請書は窓口周辺に用紙が備え付けてあることが多いので、その場で記入します。

また、代理人が手続きを代わりに行うことも可能です。その場合には上記に加え、登録廃止する本人が記入した代理人選任届(委任状)や代理人の印鑑、代理人の本人確認書類が必要です。

自治体によっては、転出届を届け出た時点で印鑑登録も廃止処理がなされる場合があります。その場合の手続きは必要ありませんが、印鑑登録証は返納するようにしましょう。

印鑑登録の方法

引越し先では印鑑登録の手続きを行います。こちらも転入届提出のタイミングで一緒に行うと良いでしょう。

手続きに必要なものは、印鑑登録申請書、登録する印鑑、本人確認書類です。また、代理人による手続きの場合は、代理人選任届(委任状)と代理人の印鑑、代理人本人の確認書類が必要です。

届け出に期限はありませんが、新居の生活を整えることに忙しくしているうちに手続きを忘れてしまう恐れがあるため、必要なときに印鑑証明がすぐに発行できるように早めに手続きを済ませておきましょう。

同一市区町村内での引越しの場合

同じ市区町村内で引越しをする場合は、廃止・登録の手続きは必要ありません。これは、役所・役場に転居届を提出した時点で、自動的に印鑑登録の住所も変更されるためです。印鑑登録証も、これまでのものをそのまま使用できます。

ただし、転居届を提出する前に発行された旧住所の印鑑証明は使用できないため注意が必要です。新しい住所が記載された印鑑証明を取り直しましょう。

まとめ

この記事では、印鑑証明の基礎知識や引越しに伴う手続きの方法についてご紹介しました。印鑑登録は、必ずしなければならないというものではありません。しかし、印鑑証明は、押印した印影が自分のものであることを自治体が保証してくれるという、自身の印鑑への信頼度を高めるための大切なものです。賃貸契約や住宅購入、ローンの申し込み、自動車に関する手続きなど、重要な局面で必要になるため、いざ必要になったときに慌てることのないように、契約などの予定がある場合は余裕を持って早めに準備をしておきましょう。また、すでに印鑑登録をしている方は、引越しの際には忘れることなく手続きを行い、最新の情報を証明できるようにしておきましょう。