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パスポート

引越しをすると住所が変わりますが、パスポートの住所変更の手続きは必要なのでしょうか。この記事では、これから引越しをする方に向けて、パスポートの住所変更が必要なケースと具体的な方法をご紹介します。

引越しにおいてパスポートの住所変更は必要ない

パスポートには氏名・本籍地・性別・生年月日などの記載事項がありますが、住所変更だけであれば、変更の手続きは不要です。パスポートの最終ページにある「所持人記入欄」に住所を記載している場合は、前の住所を二重線で消したうえで、新たな住所を記入すればOKです。

ただし、欄内が一杯になったからといって、ほかのページに住所を記載することはやめましょう。パスポートは国際的な身分証明書であり、外国において身を守るために必要な重要な公文書です。パスポートに不要な書き込みがある場合、ビザ申請時や入国審査時にトラブルになる可能性もあるため注意しましょう。

引越しでパスポートの手続きが必要なケース

転籍届を出した場合

結婚して新居で生活を始める場合など、本籍地の変更が必要なこともありますよね。本籍地の都道府県が変更になった場合は、パスポートのICチップに記録されている情報も変更する必要があるため、新規のパスポートの発給を行う「切替申請」か「記載事項変更旅券」の申請が必要です。

なお、2014年3月の旅券法の一部改正に伴い、スタンプとタイプ印字で記載事項の訂正を行う「訂正旅券」は廃止されました。そのため、本籍地変更の際は上記のいずれかの方法をとる必要があります。なお、本籍地の都道府県に変更がなければ手続きは不要です。

その他のパスポート記載事項が変更になった場合

本籍地のほか、結婚や養子縁組などにより戸籍上の氏名が変わった場合や、国際結婚などで外国の氏名などを別名として追記する場合にも記載事項変更の手続きが必要です。また、戸籍上の性別や生年月日に変更が生じた場合も同様です。

パスポートの本籍地変更手続き

手続き場所

住民登録している各都道府県の窓口で手続きを行います。手続きできるのは基本的には平日のみですが、日曜日でも受け取りだけは可能なケースもありますので、各都道府県のホームページなどを確認しておきましょう。

なお、単身赴任や大学などへの通学のため、住民登録とは異なる住所に一時的に住んでいる場合などは「居所申請」が可能です。居所とは「生活の本拠ではないがある程度の期間居住する場所」のことで、居所申請であれば住民登録している都道府県まで行かずに申請できます。

必要な書類

変更手続きの際は、以下の書類を準備しましょう。

  • 一般旅券発給申請書(記載事項変更用):1通
  • 旅券の記載に変更を生じたことが確認できる戸籍謄本又は抄本(原本):1通
  • 住民票の写し:1通
  • 写真(縦45ミリメートル×横35ミリメートル):1枚
  • 有効旅券

「一般旅券発給申請書」はパスポート申請窓口で入手可能ですが、外務省の「パスポート申請ダウンロード」サイトからも入手できます。あらかじめ自宅で記入しておけば窓口での手続きがスムーズに行えるでしょう。ただし、電子的な申請を行うことはできませんのでご注意ください。

また、住民票の写しは、「住民基本台帳ネットワークシステムの利用を希望しない」「住民登録をしていない単身赴任者や就学先等の都道府県で申請したい」のいずれかに該当する場合のみ必要です。

有効旅券は、各都道府県の窓口で失効処理が行われ、同じ有効期限のパスポートが新たに発行されます。

なお、海外で手続きを行う場合は、必要に応じて滞在資格を確認できる書類などが必要な場合もありますので、詳細は各在外公館のホームページなどで確認しましょう。

発生する費用

新規のパスポートを発給する「切替申請」を行う場合は以下の費用が発生します。

  • 10年用パスポート:16,000円
  • 5年用パスポート(12歳以上):11,000円
  • 5年用パスポート(12歳未満):6,000円

記載事項変更の場合は、一律6,000円です。これは切替申請と同額、もしくは安い金額ですが、パスポートの有効期限によっては切替申請の方がお得な場合もあります。例えば、10年用パスポートの切替申請には16,000円かかりますが、1年当たりの費用は1,600円と考えることができます。

そのため、パスポートの有効期限が4年以上あれば「1,600円×4年=6,400円」がパスポートの価値であるため記載事項変更の方がお得、有効期限が3年以下の場合は「1,600円×3年=4,800円」で切替申請の方がお得といえるでしょう。

申請方法

申請者本人が住民登録している都道府県の窓口で申請を行います。本人が申請することが原則ですが、必要な手続きを行えば代理の人による申請も可能です。代理申請を行うには、申請者本人が、申請書の裏面にある「申請書類等提出委任申出書」に必要事項を記入しておくことが必要です。また、申請書自体にも「所持人自署」や「申請者署名」など、申請者本人が記載すべき欄がありますので注意しましょう。

なお、代理申請の場合は、以下に挙げる代理人の本人確認書類が必要です。

  • マイナンバーカード(マイナンバー通知カードは不可)
  • 運転免許証
  • 船員手帳 など

健康保険証や年金手帳はそれだけだと本人確認書類として認められないため、会社の写真付きの身分証明書などとあわせて提示する必要があります。

本人が窓口にいけないときに便利な代理申請の制度ですが、紛失等の届出や居所申請、申請書の「刑罰等関係」に該当する事項がある場合など、代理申請ができないケースもありますので、詳しくは都道府県のホームページなどを確認しましょう。

その他の注意点

パスポートの申請から受け取りまでは、申請する都道府県の窓口の状況にもよりますが、約1週間かかります。パスポートを使う予定がある場合は、必要になるタイミングにあわせて計画的に申請しましょう。海外で手続きを行う場合、IC旅券作成機が配備されていない在外公館だと最大1ヶ月程度かかることもあるため特に注意が必要です。また、一般旅券発給申請書の刑罰等関係欄に「はい」と記入した場合、審査手続きに1~2ヶ月程度要するため、該当する方は各都道府県旅券事務所に事前に問い合わせておきましょう。

記載事項変更申請の場合、前のパスポートと同じ有効期限のものが発行されます。有効期限が新たに5年や10年にリセットされる訳ではないので注意しましょう。

また、パスポートの代理申請は可能ですが、なりすましによる不正取得を防ぐ目的から、代理の人による受け取りは不可となっています。

パスポートの写真を用意する際の注意点

パスポート用の写真の規格は、国際民間航空機関(ICAO)の勧告に基づき厳格に定められています。渡航先によっては、電子機器を利用した顔認証技術を用いて本人確認を行うこともあるため、写真が国際規格に則っていることはとても重要です。具体的には、「写真のサイズ」や「6ヶ月以内に撮影されたもの」、「申請者本人のみが正面を向いたもの」、「無帽であるもの」など基本的な注意点のほか、以下の点にも注意しましょう。

柄のある背景は使用しない

均一の淡い色で、無地の背景で撮影しましょう。柄のある背景はもちろん、グラデーションが入っていたり、物が移りこんだりした写真も使用できません。また、人物と背景の境界が不鮮明なものや、顔や背景に影が映っているものもNGです。

カラーコンタクトレンズは使わない

出入国審査などにおける本人確認の際、瞳の色は重要な識別ポイントです。カラーコンタクトレンズをつけた写真がパスポートに使用されていると、渡航先の出入国審査で本人であるか疑いを持たれる場合もあります。また、コンタクトの淵にサークル上に着色されたいわゆる「サークルレンズ」についても、これまでトラブルになったケースはないようですが、使用しない方が無難といえるでしょう。

顔の輪郭を優先して撮影する

顔の寸法は「頭頂から顎までが、34ミリメートル±2ミリメートルに収まっていること」と決まっています。写真による本人確認では、目や鼻、口の位置などを重視しているため、時間の経過によって変化する髪型や髭などはあまり重視されません。

ボリュームが大きい髪型などの場合、頭の部分が見切れていても問題ありません。「両目の中心から頭頂までの距離=両目の中心から顎までの距離」とみなし、髪を除いた顔の大きさを確保しましょう。

また、乳幼児などで丸顔の場合で、顔から頭頂までが最小の32ミリメートルに満たないときは、耳を含めた顔全体が収まるように撮影します。

加工画像は避ける

瞳を大きくしたり顔のパーツを変形させたりなど、加工した画像も不適切です。美白処理やほくろを消すなど一見些細な加工と思えるものでも、本人確認の妨げとなる可能性があるため行わないようにしましょう。

なお、意図的な加工でなくても「ピントが合っていない」、「手ブレしている」、「ノイズ(画像の乱れ)やシャギー(階段状のギザギザ模様)、印刷時のドット(網状の点)やインクのにじみがある」ものも適当ではありません。

その他の注意点

顔の向きや表情にも注意が必要です。顔が左右に傾いていたり横を向いていたりするもの、また口角が大きく上がっているなど平常時の表情と異なるものはNGです。髪が目にかかっていないことも大切です。また、服装や装飾品にも気を付けましょう。帽子はもちろんのこと、幅の広いヘアバンドやタートルネックの洋服などで顔の一部が隠れていたり、ウィッグなど実際の容姿と著しく異なって見えたりするものも不適切です。眼鏡をかけている場合は、フレームが目にかかっていないか、照明が反射していないかを確認しましょう。

まとめ

この記事では、引越しの際のパスポートの取扱いについて解説しました。パスポートは海外において身分を明らかにする重要なものなので、トラブルに巻き込まれないためにも正確な情報が記載されていることが求められます。引越しの慌ただしさでうっかり忘れることがないよう、パスポートの記載事項に変更が生じた場合は、早めに変更の手続きを行っておきましょう。