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結婚を機に引越しする場合などには本籍を変更することもあるでしょう。普段の生活で本籍を使うことはあまりないため、そもそも本籍とは何なのか、正しく理解されていない方も多いはずです。そこでこの記事では、本籍と住所との違いや変更方法、本籍を変更することのメリット・デメリットについて解説します。

本籍とは

本籍と住所の違い

家単位で出生関係を記録した台帳を「戸籍」といいます。本籍とは、戸籍を置いている場所のことです。戸籍を置く場所については、戸籍に記載されている人が任意に定める、日本国内のいずれかの番地が存在する土地と決められています。

戸籍を置いている場所が本籍となるので、住民票に記載のある住所と本籍の住所は必ずしも一致するとは限りません。また、本籍を設定する場所は人によってさまざまです。自分の先祖が決めた本籍を継承しているケースもあれば、結婚して新生活を始めた場所を本籍にする方もいます。なかには名古屋城のある「名古屋市中区本丸1番」や、阪神甲子園球場のある「兵庫県西宮市甲子園町1番」など、思い入れのある場所や好きな場所を本籍として登録している方もいるようです。

一方、住所とは現在自身が住んでいる場所を指し、転出・転入届や転居届によってその都度変更手続きを行います。

本籍を確認する方法

本籍は住所と異なり使用する機会があまりありません。そのため、自分の本籍がわからないという方も多いでしょう。では本籍を知りたい場合は、どのように調べれば良いのでしょうか。方法はいくつかありますが、代表的なものとしては、住民票で確認する方法と、免許証・スマートフォンを利用して確認する方法が挙げられます。

  • 住民票で確認する方法
    住民票は居住している地域の市区町村役場で簡単に取得できます。役所によって住民票の自動発行機も用意されており、自治体によってはマイナンバーカードや住民基本台帳カードがあればコンビニからでも住民票を取得できる場合があります。
  • 免許証とスマートフォンを利用して調べる方法
    住民票がなくても、免許証とスマートフォンがあれば本籍を確認することが可能です。近年免許証がICカード化されたことで本籍は記載されなくなりましたが、内蔵されたICチップには記録されています。NFCリーダー搭載のスマートフォンと専用の無料アプリをダウンロードし、免許証の更新と登録の際に使用した4桁の暗証番号を入力することで本籍地の確認が可能です。ただし、暗証番号の入力を立て続けに誤ってしまうと読み取り自体が行えなくなってしまいます。復旧が必要になった場合は、警察署や運転免許試験場へ持ち込む必要がありますので注意が必要です。

本籍の変更手順

本籍の場所を確認する

まずは現状の本籍を確認します。確認方法は前述したとおりですが、未婚であれば親と同じ戸籍に入っているケースが多いため、まずは親に聞いてみると良いでしょう。また、過去に住民票を取得している場合は、手元にある住民票から本籍の確認できる場合もあります。

変更後の新しい本籍ですが、変更先をどこにするべきか明確な決まりはなく、日本国内ならどこでも良いとされています。実際の利便性を考えると居住地と離れすぎている場所はおすすめできませんが、一般人が居住することは難しい場所である東京タワーや皇居などを本籍に登録している方もいるようです。なお、富士山山頂は地番が与えられていないため、付近にある神社や郵便局を本籍とすることになります。

変更手続きに必要なものを用意する

本籍の変更手続きに必要なものは以下のとおりです。

  • 転籍届
  • 戸籍謄本
  • 本人確認書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)
  • 転籍届に押した印鑑

なお、同一市区町村内への転籍を考えている場合は、戸籍謄本は必要ありません。また印鑑に関しては、夫婦で届ける場合、筆頭者と配偶者の双方の印鑑が必要なので注意しましょう。

転籍届を提出する

必要なものをそろえたら、次は転籍届の提出を行います。届出先は、変更前の本籍地、転籍地、住所地のいずれかの役所です。届け出は戸籍の筆頭者または配偶者が行えます。

注意すべきは、届出を行うと除籍者を除く戸籍に載っている方全員の本籍地が変更されるという点です。全員ではなく一部の方の本籍地のみを変更したい場合には、転籍届の代わりに分籍届の提出が必要です。必要な手続きを間違えないように気を付けましょう。なお、転籍は届出が受理された日から法律上の効力を持ちます。

本籍の変更と一緒に手続きが必要なもの

本籍の変更をすると、運転免許証・パスポート・国家資格などの手続きが必要となるため、忘れずに手続きを行う必要があります。変更手続きをしっかり行わないと証明書としての効力を持たなくなる恐れもあるため、転籍したら迅速に手続きを行うようにしましょう。

運転免許証

運転免許証の変更手続きは、住民票のある都道府県の警察署や運転免許センターなどで行えます。氏名や住所の変更も同時に行えるので、まとめて変更してしまうと良いでしょう。

手続きの際は以下が必要です。

  • 運転免許証
  • 運転免許証記載事項変更届
  • 新住所を確認できる書類(住民票やマイナンバーカードなど)
  • 印鑑
  • 申請用の写真(地域によって必要な場合)

代理人が申請する場合は上記に加え、基本的に以下のものが必要です。自治体によって異なる場合があるため、事前に確認しましょう。

  • 申請者と代理人が併記された住民票
  • 代理人の本人確認書類

本籍や氏名の変更をする際は、上記に加え、本籍(国籍等)記載の住民票(マイナンバーの記載がないもの)が必要なので、手続きの前に忘れずに準備しましょう。

受付時間は、警察署の場合は土日祝日と年末年始を除く平日ですが、運転免許センターや運転免許試験場は平日だけでなく、日曜日や祝日でも対応している場合があります。そのため、平日に時間がとれないという方は、運転免許センターや運転免許試験場などで本籍の変更手続きを進めるとスムーズです。

ただし、運転免許センターや運転免許試験場は受講者で混雑しやすい傾向があります。警察署は相対的に混雑していないことが多いので、混雑を避けたい方は警察署での手続きがおすすめです。

パスポート

本籍の都道府県が変わった場合で、有効なパスポートを保有している場合は「切替申請」または「記載事項変更申請」を行います。切替申請と記載事項変更申請はいずれも現在手元にあるパスポートを失効させて新規に発行してもらう点が共通しています。異なる点としては、切替申請は有効期間が発行日より10年または5年となり、記載事項変更申請は有効期間満了日がそのまま引き継がれ、手数料も切替申請より安価です。

手続きは各都道府県のパスポートセンターから行えます。変更時に必要なものは以下のとおりです。

  • 一般旅券発給申請書
  • 戸籍謄本または抄本
  • 有効期限内のパスポート
  • 写真

パスポートの写真は証明写真機でも撮影できますが、前髪で顔のパーツが隠れていないこと、明るさが適切であることなど細かい規定が多く設けられているので、事前によく確認したうえで条件を満たす写真を用意しましょう。なお、住所のみが変更になった場合は、これらの手続きの必要はありません。裏表紙にあるパスポート所持人記入欄に自分で二重線を引き、余白部分に新住所を記入しましょう。ただし、所持人記入欄以外に書き込みをすると入国審査やビザの発券時などにトラブルの原因になります。新住所は所持人記入欄のなかに書くよう注意しましょう。

パスポートセンターは混んでいることが多いので、可能であれば午前中などの早い時間に出向くとスムーズに本籍の変更手続きを行えます。

国家資格

医師や看護師などの国家資格を所持していて転籍した場合は、記載事項の変更届が必要となります。変更が生じた翌日から30日以内に手続きを行う必要があります。変更の手続きに必要なものは以下のとおりです。

  • 申請書
  • 戸籍抄本
  • 収入印紙
  • 免許証
  • 印鑑

申請先は国家資格の種類によって異なり、勤務先の市区町村を管轄する保健所に届け出る場合と、住所地の市区町村を管轄する保健所に届け出る場合があります。詳しくはお住まいの地域の役所やホームページで確認しましょう。

また、同一都道府県内での本籍地変更、住所のみの変更については申請の必要はありません。

本籍を変更するメリット・デメリット

メリット:戸籍謄本の取得が楽になる

メリットとしては、戸籍謄本の取得が楽になることが挙げられます。自分が現在住んでいる場所と本籍が異なる場所だと、戸籍謄本が必要となった場合にわざわざ郵送で取り寄せなければなりません。すぐに戸籍謄本が必要な時は時間がかかってしまいますし、申請を面倒に感じる方も少なくないはずです。本籍を現在の自宅に変更しておけば、戸籍謄本を急遽取り寄せる必要が生じた場合もすぐに用意できるため、効率的に取得できます。

郵送で戸籍謄本を取り寄せるためには、交付請求書や本人確認書類の写し、切手を貼った返信用封筒を同封する必要があります。一方、窓口で本人が受け取る場合は、印鑑と請求者の本人確認書類があれば取得可能です。

なお、昨今は自治体によっては、本籍の戸籍証明書類をコンビニで交付できるサービスを展開している場合もあります。マイナンバーカードまたは住民基本台帳カードの所持、および事前の申請は必要ですが、すぐに転籍手続きが行えない場合はコンビニ交付サービスを利用することも考えてみましょう。

デメリット:遺産相続に手間がかかる

戸籍謄本は除籍謄本というものに謄写され、それぞれの本籍地に残ります。そして、転籍をした方が亡くなって遺産相続を行う場合は、手続きのために死亡した方のすべての除籍謄本をそろえる必要があり、残された家族は転籍する以前の各市区町村から除籍謄本を取り寄せなければなりません。

転籍を複数回しているケースだと、異なる市区町村から順番どおりにさかのぼって除籍謄本を取得しなければならないので、時間と手間がかかります。郵送で取り寄せるにしても切手代などの雑費もかかるので、取り寄せる数が多くなればなるほど、金銭面での負担も増えてしまいます。

このような煩雑な手続きを踏まなければならないのは、相続人の確定を行う必要があるからです。親しい家族のことなので相続人は間違えることはないと考える方も多いでしょう。しかし、人によっては親族間の関係が良好でなく、相続関係が不明瞭の場合もありますし、なかには故人に隠し子がいるケースもあり、こういった情報を逃さずにチェックするには、すべての戸籍の確認が必要なのです。

なお、どの役所に行けば良いかについては、役所で確認できる古い戸籍を見て職員が指示してくれます。

まとめ

この記事では本籍についてご紹介しました。本籍は指定できる場所も自由度が高く、日本国内のいずれかの番地が存在する土地ならば自らの意思で決めることができます。また、本籍は住民票や免許証のICチップなどから調べられるので簡単に確認することができます。そして、本籍の変更は役所で転籍届と身分証などをそろえることで行えます。本籍を変更すると戸籍謄本の取得が楽になりますが、遺産相続の際には手間がかかるので注意が必要です。

本籍は思わぬ場面で必要となります。その際は、この記事でご紹介した確認方法や謄本の取得方法をぜひ参考にしてみてください。