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ソファに座る家族

家族で引越しをするとなると人数分の荷物をまとめる必要があり、単身者ほど気軽に引越しできるわけではありません。そのため、「引越し料金が高くつきそうで心配だ」などと思っている方も多いでしょう。そこでこの記事では、引越し費用の構成内容から料金を抑える方法まで順を追って解説します。

家族の引越し費用を決める要素とは?

まずは引越しをする際の費用の内訳をみていきましょう。内訳を理解できれば、引越しの見積もりを行うときの費用の比較がしやすくなります。

引越し料金

まずは引越し料金のベースです。引越し料金は、大きく分けて「基本料金」と「オプション料金」の二種類で構成されています。基本料金は移動距離や引越しスタッフの人数に応じた主に人件費、オプション料金は基本的な引越し作業以外で発生した追加作業にかかる費用のことです。例えばエアコンやアンテナなど家具の取り付け、通信器具や配線の設定などがオプションにあたります。業者によっては、不用品になってしまった家具などの引き取りを行うというサービスも依頼可能です。なお、基本料金に関係する要素には以下のようなものがあります。

基準運賃

基準運賃は引越しをする移動距離や時間によって算出される運賃のことで、引越し料金のうち最も基本となる金額です。基準運賃は距離制と時間制の二種類に分けられ、定められた基準によって金額を算出します。荷物を運ぶ距離が100km以内の場合は時間制(4時間制と8時間制)、荷物を運ぶ距離が100km以上の場合は距離制(1回の運送ごと)が採用されます。なお、この基準運賃は国土交通省によって基準が決められているため、どの引越し業者を選んだとしても大きく差が出る項目ではありません。

実費

基準運賃の他に、引越しスタッフの人件費や荷物の梱包代、実際の作業時間に関わる費用、追加のダンボールなどの資材諸費用、有料道路利用料などは実費負担として定められています。

割増料金

引越しをする時間帯や時期によっては、割増料金を追加で支払う場合があります。例えば休日に引越しを依頼する場合は通常料金の2割増となり、早朝や深夜といった時間帯に引越しを行う場合は3割増で料金が加算されます。また、引越し先が高い階層のマンションやアパートの場合、階数の差やエレベーターの有無でそれぞれ料金が追加でかかります。その他、予定外で急に運ぶ荷物を増やしてほしい、時間を変更してほしいなどといった対応を依頼する場合も追加で料金が加算される可能性があります。

物件の費用

新居の物件への費用も、引越しの支出の中では大きなパーセンテージを占めます。賃貸物件に入居する場合は敷金や礼金、その他不動産の仲介手数料などが必要になります。また、来月分の家賃を事前に支払う「前家賃」の支払いも加わるのが一般的です。物件を購入した場合でも頭金や手付金といった初期費用を支払うことが多く、ローンを組んだ場合はローン契約の諸費用もかかります。

原状回復費

賃貸物件から引越しをする際は原状回復を行う義務があります。故意か故意ではないかに関わらず、部屋の内部を傷つけたり汚損したりしてしまった場合は退去時に原状回復費を支払わなければなりません。一般的に、敷金を入居時に支払っている場合はそこから差し引かれますが、敷金不要の物件や敷金を超える費用がかかった場合は追加で支払いが必要です。

家財購入費

引越しを行うタイミングで大型家電や家具を買い揃える場合も多いでしょう。冷蔵庫やソファなど、大型の家財は引越し当日にまとめて搬入したほうが楽で生活もしやすくなります。とはいえ、最初から一通り揃えようとするとかなりの出費になるので、家財購入のタイミングはよく考えて行う必要があります。

家族の引越し費用を安くする方法

引越し費用の内訳を踏まえて、ここでは引越し費用を少しでも安く抑えるコツを解説します。少しの条件を変えるだけで大幅なコストダウンに繋がることもあります。

物件の仲介手数料を安くする

仲介手数料は、物件の情報を提供し一緒に探してくれた不動産会社に支払う手数料のことを指します。入居の契約が成立した時点で支払いを行うため、物件探しを行っても最終的に契約を結ばなかった場合には支払う必要はありません。

仲介手数料は不動産会社によって料金が異なります。法律上は原則として家賃の半月分と消費税の合計分を顧客に請求できるとされていますが、実際には上限である1ヶ月分を請求する不動産会社が多いようです。一方で、この仲介手数料は時期によって交渉をして金額を下げてもらえる可能性もあります。3~4月の引越しシーズンを抜けてからは、繁忙期に契約できなかった空き物件をどうにかして契約まで漕ぎつかせたいと考える不動産会社が多く、その分手数料を下げる交渉に応じてくれる可能性が高くなります。

引越し料金の安い時期、曜日、時間を選ぶ

前述のとおり、引越しはシーズンや曜日、時間によって「割増料金」が存在します。そのため、費用をできるだけ抑えたいのであればそれらの時期を避けて引越しの時期を設定することが重要です。

どの引越し業者においても依頼が多くなる繁忙期は、引越し料金の金額が高く設定されがちです。一方で、引越しの依頼件数が減れば安い金額設定で引越し業者を利用できます。さらに土日や午前中の日時指定も需要が高いため、その分コストが高くついてしまいます。最低限に抑えたいという場合は平日に引越しの日時を設定し、かつ時間指定をしないというのが最も安く済ませることができる方法です。

断捨離で荷物の量を極力減らす

荷物の総量が少ないほうが引越し費用は節約できます。引越しの機会に、家の中に使われていない家具やムダな品物がないか改めて考えてみましょう。衣服や書類など、数枚程度ではかさばらないようなものでも数が増えれば意外とスペースをとってしまうものです。「今は使わないけれどいつか使うかもしれない」、「思い出があって捨てられない」といったアイテムは多くあるかもしれませんが、費用を安くするためには荷物量をとにかく減らすことが大切です。

廃棄する場合、引越し業者がオプションサービスで引き取りをしているという場合もありますが、基本的には粗大ごみ回収や廃品回収業者などに連絡をして廃棄の依頼をしましょう。状態が良いものやまだ使えそうなものの場合は、リサイクルショップやネットオークションで売却するという方法もあります。売却すればお金を得つつ荷物を減らせ、また資源を有効活用することにもなるので前向きに検討したい手段です。

複数の引越し業者に見積もりをとる

引越し業者は何件かを比較検討して見積もりをお願いしましょう。見積もりをお願いするだけなら多くの会社が無料で行っているので、「最初に見積もりをお願いしてしまったから」という理由で1社だけに見積もりをお願いしたまま決めてしまうということは避けましょう。各業者を比較検討することで料金やサービス設定を自分に合ったものにすることができ、見積もり時のスタッフの対応も検討材料にすることができます。

見積り依頼の方法は、相場を一括で把握することのできるインターネット見積もりや、電話1本で依頼できる電話見積もり、引越し業者が実際に家を訪れて荷物や周辺環境などを考慮して見積もりを出してくれる訪問見積もりがあります。インターネット見積もりと電話見積もりは手軽に依頼できるというメリットがありますが、家族世帯のような荷物量が多い引越しの場合は正確な金額をはじき出すことが難しいという懸念点があります。一方、訪問見積もりはより正確な金額を算出してもらうことが期待できますが、1社ずつに時間をとられるため手間がかかります。また、自分のプライバシー空間に人が立ち入ってくることに抵抗がある方もいるでしょう。さらに、安くすることと引き換えに即決を強く求めてくる場合もあるため、断わる自信のない方や時間に余裕がない方などは訪問見積もりの利用について慎重に考えることをおすすめします。

家族の引越し費用のシミュレーション例

引越し費用の内訳とできるだけ安く抑える方法を学んだところで、実際の費用はどれくらいになるのか検証してみましょう。なお、このシミュレーション例はあくまでも一例ですので、実際の引越し費用は各引越し業者の見積もり額を参照することを忘れないでください。

横浜から東京に引越しをする場合

移動は横浜市内から東京23区内の約40kmの距離です。運送距離が100km未満なので、基準運賃は時間制(今回の場合は8時間)となります。手配したトラックは4t車1台、作業員は運転手1名と補助作業員3名です。オプションとして、エアコン取り付けをお願いしました。この場合、閑散期の平日だと以下の内訳で合計115,500円となります。

  • 基準運賃:40,500円(4tトラック)×1=40,500円
  • 作業員:15,000円×4=60,000円
  • オプション:15,000円

大阪から東京に引越しをする場合

同じく閑散期の平日に、大阪市内から東京23区内の約570kmの距離を走行する場合を考えます。運送距離が100kmを越えているため、基準料金は距離制となります。同じくトラックは4t車1台、作業員は運転手1名と補助作業員3名、オプションとしてエアコン取り付け、そして家具処分をお願いしました。この場合の費用は合計227,500円となります。

  • 基準運賃:122,500円(4tトラック)×1=122,500円
  • 作業員:15,000円×4=60,000円
  • オプション:15,000円+30,000円(家具処分)=45,000円

基準運賃は国土交通省が定めている「標準引越運送約款」に則り算出されます。各引越し業者はこの約款に基づいて下限・上限の10%の範囲内で基準運賃を決定しますが、今回のシミュレーションでは閑散期の設定のため、下限の金額で算出しています。

また、4tトラックは2LDKから3K程度の荷物量を運搬できるため、3~4人家族が引越しをする一般的な積載量として今回のシミュレーションに採用しました。4tトラックの場合は荷台に8畳ほどのスペースがあり、ダンボールは40~60個ほど、それに加えて家電一式と家具一式を積載できるキャパシティがあります。

まとめ

引越し費用の内訳は一見複雑そうなので、見積もり額をどう判断したら良いのかわからないという方も多いかもしれません。しかし今回の記事のように一つひとつを分解して考えれば、それぞれの妥当性やコストダウンの工夫の仕方がみえてくるでしょう。家族総出の引越し作業に伴う出費は決して小さな額ではありません。少しでも安く引越しができるように、時期や条件を含めていろいろと工夫して見積もりをしてみましょう。