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仏壇
  • 仏壇本体と新居の出入り口や廊下・エレベーターなどの寸法を測っておきましょう。
  • 仏壇の適切な向きは宗派によって異なるため、わからない方は菩提寺に確認をとると良いでしょう。
  • 仏壇の運搬は引越し業者へ依頼するほかにも仏壇の専門業者に依頼するという方法もあります

引越しの際に、どのように仏壇を運べば良いのかは悩みどころでしょう。仏壇は、旧居と新居の双方で特別な供養が必要なので、先祖代々の眠るお墓があるお寺に引越しをする1ヶ月前までに仏壇の供養について相談しておきましょう。この記事では、仏壇の引越しで準備することや仏壇の供養の基礎知識、運搬の依頼先についてご紹介します。

仏壇の引越しで準備すること

仏壇に手を合わせている人

まずは引越しをする前に準備しておくべきことを確認しておきましょう。なお、以下の作法については宗派によって異なる場合があるため、不安がある場合はあらかじめ菩提寺に相談しておくと安心です。

サイズを測る

仏壇のみならずサイズの大きな家具全般に言えることですが、新居での設置予定場所にきちんと収められるのか、その場所まで運べるのかどうかを把握しておくことが重要です。当日になって入れられないという事態が発覚することを避けるために、仏壇本体と新居の出入り口や廊下・エレベーターなどの寸法を測っておきましょう。

特に仏壇はただの家具ではなく、ご先祖様をお祀りする大切なものです。傷がついたり破損したりしないよう無理なく運び出して設置ができるように、仏壇の幅・高さ・奥行きはしっかりチェックしておきましょう。

写真を撮る

仏壇を移動させる前に、全体像を写真に収めておきましょう。仏壇にはご本尊や位牌をはじめ花立や香炉、仏飯器などの仏具が並べられており、宗派によって祀り方・飾り方が異なります。運搬の際に中身が入った状態で動かすことはできず、いずれの仏具も一度仏壇から出さなければなりません。

特にご本尊は宗派に応じた祀り方が決まっているため、適切な配置で祀る必要があります。写真を撮っておくことで、何がどこに配してあったのかひと目でわかるようになるので、引越し後の忙しい時でもスムーズに仏壇を元の姿に戻せるでしょう。

新居での置き場所を確保する

仏壇は基本的には仏間に設置しますが、仏間がなければ家族が団らんする空間に置いても問題ありません。

一方、仏壇の設置を避けるべき環境としては、高温多湿な場所・直射日光が当たる場所・冷暖房の風が直接当たる場所が挙げられます。仏壇は木製であることがほとんどなので、これらの環境に置かれると湿気や日光によってダメージを受けてしまいます。

また、仏壇の適切な向きは宗派によって異なるため、わからない方は菩提寺に確認をとると良いでしょう。なお、神棚を設置する予定がある場合は仏壇の真上や向かい合わせの配置にならないようにし、同じ向きに置く場合は神棚の真下よりずらした位置に仏壇を置くようにします。

壊れやすいものや高価なものを梱包する

仏具にはとても繊細な細工が施されています。仏壇を運搬する際は、ただダンボールに詰めるだけだと傷がついてしまうので、仏壇から取り出せるものは必ずすべて取り出し、個別に梱包するようにしましょう。取り出せないものに関しては動かないようにしっかりと固定し、梱包材で丁寧に包んでおきます。特にご本尊(仏様)や位牌は仏具のなかでもとても重要な意味を持つものなので、傷がつかないように細心の注意を払いましょう。

また、梱包前には香炉のなかに火が残っていないか確認する、花立ての水をしっかり切って拭き取っておくといった下準備も行っておくと、火事や仏具の汚れなど、万が一の事故やトラブルを防げます。

僧侶に供養の依頼をする

仏壇を引越しで移動させる際は、その前後に供養を行うと良いでしょう。これは「閉眼供養」といい、亡くなられた方の魂が宿るとされている位牌や代々受け継がれているご本尊に対し、運搬時の揺れなどで居心地の悪い思いをさせないために位牌やご本尊から魂を抜く儀式です。

菩提寺がある場合は、供養の連絡は1ヶ月前を目安に連絡するようにしましょう。また、無事新居に運ばれた後に再び魂を元の場所に戻す「開眼供養」も行います。

仏壇の供養

葬儀用の線香など

宗派や地方によって異なる供養の呼び方

ほとんどの宗派では、位牌やお墓に「魂を入れる」、「魂を抜く」という儀式を行います。これは、「魂を入れる」儀式を経ることで依り代となり、位牌やお墓としての役割を持つと考えられているためです。反対に、「魂を抜く」ことで位牌やお墓はその役割を失います。

魂を抜く供養のことを「閉眼供養」と呼び、ほかには「魂抜き」や「お性根抜き」、「抜魂」「撥遣(はっけん)供養」、魂を入れる供養は「開眼供養」や「魂入れ」、「お性根入れ」と呼ばれます。

なお、仏教の一派である浄土真宗には「魂」という概念がないため、上記の呼称は使用せずに「入仏法要」や「遷仏法要」とするのが一般的です。

供養のために用意するもの

開眼供養や閉眼供養では、以下のものを用意する必要があります。

おりん

手を合わせる前に鳴らす、器型のすずのことです。鳴らすと「リーン」と涼やかな音がします。おりんは、基本的に本体とりん棒、りん布団、りん台がセットになっています。

木魚

読経をする際に必要なものですが、浄土真宗の場合は不要です。一般家庭で使うものではないため、用意する必要があるかは供養を依頼するお寺に確認しておきましょう。

香炉(線香立て)

火を付けた線香を立てる、灰が入れられた容器のことです。

線香差し

火を付ける前の線香を入れておく容器のことです。

ろうそく立て

ろうそくを立てるための台のことで、「燭台」や「火立て」とも呼ばれます。

花立

仏壇用の花瓶です。

読机

「経机」とも呼ばれる仏壇の前に置く小さな机のことで、お供え物などを置きます。もしも用意できなければローテーブルなどで代用します。

座布団

儀式を執り行う間、僧侶に座ってもらうために使用する座布団です。「仏前座布団」や「御前座布団」など専用の座布団もありますが、用意がなければ一般的な座布団でも代用できます。この場合は、なるべく見栄えの良いきれいなものを選びましょう。

マッチ、ライター

ろうそくや線香に火を付ける際に必要です。

また、上記以外にも以下のお供え物も用意します。

線香

仏教において線香は、立ちのぼる煙が現世と天上を繋ぐものと考えられており、香りには場を清める効果があるとされています。一般的に長い線香を用います。

ろうそく

ろうそくの灯りは仏壇を照らし、仏の智慧を表すとともに煩悩の闇を払う功徳があると考えられています。なお、火を使うのが難しい環境であれば、ろうそく型の電球で代用します。

生花

仏の慈悲の心を表します。造花ではなく生花を用意し、トゲや毒があるもの、香りの強い花は避けるべきと考えられていますが、近年は故人が生前好んだ花を飾るケースもあります。

お供え物

日持ちのするお菓子や果物を用意しますが、赤飯・お膳・お餅などをお供えする場合もあります。ただし、殺生を連想させる肉や魚は避けましょう。

お茶または水

浄土真宗の場合は、原則としてお茶や水は用意する必要はありません。

僧侶に渡すお布施・お車代の相場

お寺の僧侶に供養をお願いする場合、感謝の「お気持ち」としてお布施を渡します。また、供養を行う際は僧侶を家に招いて行う必要があるため、「お車代」として交通費を一緒に渡すようにしましょう。

お布施は「法要や供養を執り行ってくれた僧侶への謝礼」と位置付けられていますが、お布施の本来の意味としては、 労働による報酬という意味合いではありません。「お寺への寄付」が本来持つ性質であり、仏教の考え方としては「物欲に対する修行」という意味合いもあります。こうした本来の意味から、読経をして教えを説いていただいた感謝の気持ち、としてお渡しするようにしましょう。

お布施やお車代の金額は宗派や地域によって差があるため、必ずこの金額を包まなければならないというマナーはありませんが、一般的にはお布施は1~3万円、お車代は3,000~5,000円とすることが多いようです。もしも僧侶が遠方から来られたという場合は、金額相応のお車代をお渡ししましょう。

お布施・お車代の封筒の書き方

お布施とお車代はそれぞれを封筒に包んで僧侶に差し出しますが、封筒は「のし」のついていない金封を選びます。なお、開眼供養の場合は慶事として捉えられることもあるため、紅白の水引のものを選ぶという場合もありますが、引越しにおけるお布施はのしのない白無地の封筒で問題ありません。

封筒には、表書きとして「お布施」や「お車代」と書き入れ、表書きの下には名前を入れます。裏書きには住所と電話番号、包んだ金額を記すと親切です。なお、金額を記入する際はローマ字や漢数字ではなく、「大字」を使って記入します。大字は「壱・弐・参」といった漢字の表し方のことで、例えば3万円をお布施として包んだ場合は、「金参万圓也」と記入します。

また、封筒に入れる紙幣は新札を用意するのがマナーとされていますので、事前に準備しておきましょう。

運搬は誰に依頼する?

魂抜きの供養を終えたら、いよいよ新居への運搬作業が待っています。仏壇とともに引越しをする場合、仏壇の運搬を業者に頼めば良いのか悩む方もいるでしょう。仏壇の運搬は引越し業者へ依頼するほかにも仏壇の専門業者に依頼するという方法もありますので、それぞれの違いについて詳しくみていきましょう。

専門業者

専門業者に依頼するメリットとしては、梱包から運搬に至るまでのノウハウや仏具・宗派に対する知識があり、丁寧な対応が期待できるという点です。仏壇には細かな装飾や吊り下げられた照明、さまざまな仏具があり、仏壇を知り尽くしたプロに依頼をすれば安心して運んでもらえます。また、オプションサービスとして、仏壇のクリーニングや一時的な保管を依頼できることもあります。

デメリットは、引越し料金に加えて別途でコストがかかってしまうこと、専門業者を探す手間がかかってしまう点です。

引越し業者

引越し業者に依頼するメリットは、別途で依頼する手間やコストが発生しない点です。ただし、業者によっては運搬のノウハウがないために断られてしまうこともあるため、事前に対応してもらえるか確認しておきましょう。

なお、梱包から依頼している場合はすべての工程を任せて問題ありませんが、ご本尊や位牌に傷をつけたくない場合は自分で持ち運んだ方が安心です。

デメリットとしては、経験豊富な業者でないと運搬中に傷や破損する恐れがある点が挙げられます。

まとめ

仏壇の引越し作業はほかの家具とは異なり、より繊細で複雑な技術が求められます。さらに、魂抜き・魂入れといった供養も行う必要があるため、事前の準備が必要です。ご先祖様との大切な繋がりである仏壇を適切な形で引越しさせるために、この記事でご紹介した内容を参考に引越しの手配を行いましょう。