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外を見る猫

猫は環境の変化に弱いため、愛猫と引越しを考えている方は細心の注意を払いましょう。また、ペット不可の物件において内緒で猫を飼うと後々トラブルに繋がりかねないため注意が必要です。

この記事では愛猫との引越しを成功させるために、引越しまでの準備や当日の移動手段、引越し後に気を付けたいことについてご紹介します。

猫は環境の変化に弱い!

「犬は人につき、猫は家につく」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。この言葉が示すとおり、猫は自分の暮らす環境に敏感で、その変化にも弱い特徴があります。

もともと猫は単独で生活する動物です。それぞれに自分のテリトリーを持ちその中で生活する習性があり、また行動範囲も狭いため、一度テリトリーを確保するとその範囲の中で生活します。そのため、来客や結婚・出産などで家族構成が変わるといった人間にとっては普通のことでも、猫にとっては自分のテリトリーの中に見知らぬ人が入ってくるという大きなストレスとなるのです。

ましてや引越しともなると、引越し作業で家の中の様子が変わったり、引越し業者など見知らぬ人の出入りがあったりするでしょう。新居に移ってからも、「住み慣れた自分のテリトリーがなくなってしまった」というさらに大きなストレス要因があります。

猫と一緒の引越しを考えている方は、愛猫の不安な思いを少しでも小さくできるように工夫してあげましょう。

猫と引越しするまでの準備

転居先の物件の条件を再確認する

転居先の物件が賃貸住宅の場合、まず「ペット可」の物件かどうかの確認が必要です。こっそり飼っていると後々トラブルの原因になります。物件の条件が原因で飼い主と別れなければならなくなれば猫にとっても不幸な結果を招くためやめましょう。

また、「ペット可」の物件でも細かい条件がつけられていることがあります。例えば、小型犬のみ飼育可という場合や、猫は1匹まで飼育可、多頭飼い禁止、などといった具合です。契約前によく確認しておきましょう。

「ペット可」の物件は、情報誌やインターネットで個人的に探すだけでは情報が少なく困難です。不動産業者を通して探すのが良いでしょう。

事前に健康診断を受ける

引越しは、慣れない移動や新しい環境などにより猫に大変な精神的負担を与えるため、なかには体調を崩してしまう猫もいます。特に高齢の猫の場合は身体への負担も大きく心配なので、引越し前にはしっかり体調管理をしてあげましょう。具体的には、引越しの前にかかりつけの動物病院で健康診断を受けておくのがおすすめです。

また、遠方への引越しなどでかかりつけの動物病院に引き続き通うことが難しい場合は、あらかじめ新居の近くの評判の良い動物病院を調べておきましょう。万が一引越し先で猫が体調を崩してしまったらすぐに連絡できるように、連絡先などを控えておくと安心です。

キャリーバッグを用意する

引越しの際に猫の安全を守る場所として、キャリーバッグやケースは必須のアイテムです。引越し当日に引越し業者のスタッフが出入りしたり、家具や荷物の運び出しでバタバタしていると、猫は普段と違う雰囲気に驚いてしまい、どこか奥へ隠れてしまったり脱走してしまったりする恐れがあります。次々と家の中の様子が変わっていくのを目にするのも、猫にとってはストレスになるのです。引越し作業の前にキャリーバッグの中に猫を入れておけば、猫は狭いところで安心して過ごすことができます。もちろん、実際に引越しの移動の際にもキャリーバッグを使用しましょう。

キャリーバッグを使用する際は、引越し当日にいきなり入れて驚かせないように、事前に少しずつ慣れさせてあげるのがおすすめです。

猫のお気に入りのものをとっておく

引越しを機に家具やカーテン、カーペットなど模様替えをしたいと考える方も多いでしょう。しかし、猫にとっては新居に移るというだけでも大変なストレスです。旧居のにおいが残っているものは猫にとっては不安を和らげてくれるものなので、特に旧居で猫がよく座ったり遊びに使ったりしていた家具は、新居でもできるだけそのまま使用しましょう。家具の配置も旧居と似たような配置にすると猫は安心します。また、自分のにおいがついているお気に入りのおもちゃやタオル、マットなども、猫にとっては安心できる材料です。捨ててしまわずに新居に持っていきましょう。

トイレとトイレ砂を保管する

前述のとおり、新居に移って家のにおいがガラッと変わってしまうと猫はストレスを感じてしまいます。そんなときに自分のにおいのついたトイレやトイレ砂があると猫は安心できるため、猫が使用した後のトイレ砂と普段使用しているトイレを保管しておきましょう。新居では新しいトイレ砂だけではなく使用済のトイレ砂を混ぜて置きます。猫は自分の排泄物のにおいでトイレの場所を判断しますので、新しいトイレの場所を覚えるのも早くなるでしょう。また、新居のトイレの置き場所を旧居の時と近い位置にするのも良い方法です。

引越し当日の移動手段

車で移動する

引越しの移動方法で猫にとっていちばんストレスが少ないのは、飼い主と一緒に車で移動する方法です。猫を車に乗せる時には必ずキャリーバッグやケージに入れ、シートベルトで座席にしっかりと固定しましょう。そうすることで車の振動で動くことを防げます。猫をキャリーバッグやケージに入れずに車に乗せると、車内を動き回ったりブレーキやアクセルペダルの下に潜り込んだりして運転の妨げとなり危険です。また、ドアや窓が開いたときに脱走してしまったりする場合もあります。長距離になる場合は、途中で車を停めてケージから出し、水をあげたり排泄をさせたりするのも忘れてはいけません。

猫を安心させるために、事前にフェロモン合成液を動物病院でもらってスプレーしておくのも良いでしょう。また、車酔いにならないように車に乗る前には食事を与えないようにします。車酔いが心配な場合は動物病院に相談し、酔い止めを飲ませるのも一案です。車を離れる際は猫も一緒にキャリーバッグで連れ出しましょう。閉め切った車内に置き去りにすることはしないでください。

電車で移動する

電車で移動する場合は特に予約などは必要ありませんが、鉄道会社によって規定があるため利用する電車やバス会社の規定を事前に調べておきましょう。

電車内ではキャリーバッグを座席の下に置き、タオルなどをかけて周囲を見えないようにすると猫も落ち着くようです。公共の乗りものでは不特定多数の人が利用するので、周りに迷惑をかけないようにするのが基本です。猫が驚いて飛び出したりしないように、キャリーバッグから出すことはやめましょう。

新幹線で移動する

長距離の引越しになると新幹線を利用することもあるでしょう。新幹線の利用方法も基本的には電車と同じですが、気を付けなければならないのがキャリーバッグを置く場所です。手回り品にあたるキャリーバックは座席に置くことはできず、膝上か足元に置くことになります。

ちなみに、猫のために指定席をもう1席確保すれば良いかというと、それはできません。JRの規定には1人が2枚以上の乗車券を同時に使用することはできないと定められています。猫は手回り品扱いであり、猫のために指定券をもう1枚購入するというのは、指定券の2枚同時使用にあたってしまうため規定違反になってしまうのです。同様に、自由席であっても猫のために隣の座席を使用できません。そのため、席の予約の際に足元のスペースが広い最前列を予約するのが良いでしょう。また、通路側の席は人の出入りが多いため窓際の席がおすすめです。

飛行機で移動する

飛行機で猫と移動をする場合、猫はキャリーケースに入れられて貨物室で過ごすことになり、機内に持ち込むことはできません。手荷物として預けることになりますが、予約が必要な場合が多く料金も航空会社によって異なるため、事前に確認が必要です。

キャリーケースは布製の使用ができません。硬いプラスチックや金属など強度のあるもので、通気性の良いものを選びましょう。

貨物室内は温度や湿度は管理されていますが、振動や騒音もあり、猫にとってはストレスの多い環境で身体に負担もかかります。給水器やマット、毛布などを入れてできるだけ良い環境で過ごせるようにしてあげましょう。

また、鼻の低い種類の猫は気圧の変化に弱く、呼吸困難を引き起こして体調を崩してしまう場合があるため、飛行機での移動は避けた方が良いでしょう。かかりつけの動物病院で事前に健康チェックをしてもらい、相談・確認しておくことが大切です。

猫専門の引越し会社を利用する

どうしても飼い主と一緒に移動できない場合は、ペット専門の引越し輸送会社に依頼するという方法もあります。専用車や航空機を使ったペットの輸送ができる引越し会社や、ペット輸送業者、ペットタクシー業者などを検討しましょう。

長距離でも陸送で安心して移動でき、移動中の温度管理や食事、水、排泄などのお世話をしてくれる業者もあります。引越しにかかりきりになってしまい面倒を見られないときには、検討してみても良いかもしれません。

猫と引っ越した後に気を付けること

新居にゆっくり慣れていってもらう

引越し先でいきなり広いところに猫を放してしまうと、どこかに隠れてしまったり逃走してしまったりすることがあります。そのため、猫が慣れるまでは狭い範囲で生活させるのが良いでしょう。

具体的には、一室に給水器や食器、寝床、トイレなどが入る大きめのケージを置いて、まずはその中へ入れます。少し慣れてきたと思ったらケージを開け、その部屋を閉め切って自由にさせます。警戒心の強い猫は物陰に隠れてしまったりする場合もありますが、無理矢理引っぱり出したりせず自由にさせてあげるのが大切です。新居がどんな場所かを探る時間を与えてあげましょう。そうして一部屋ずつ行動範囲を広くして、ゆっくり新居に慣れてもらうようにします。

猫が安心できるスペースを作る

旧居で使っていたトイレ砂や寝床など古くてにおいのするものを置いておくと猫は安心できます。また、旧居にいた頃の環境に似た場所に猫の居場所を作ってあげるのもおすすめです。おもちゃやキャットタワーなども前から使っていたものを使用して、早めに猫が安心して過ごせるスペースを作ってあげましょう。

また、猫のにおいを家中に広げて新居に慣れる手助けをしてあげるのも良い方法です。猫の顔の周りには分泌腺があるので、柔らかい綿の布などでやさしくこすってにおいを集め、それを猫が通る高さの壁や角、家具などにこすりつけておきます。すると、猫が自分の縄張りに早く慣れることができます。

一緒に遊ぶ時間を作る

猫は自分のペースを持っている動物なので、まずは自由にさせてあげることが大切です。落ち着くまではそっとしておくのが一番良いのですが、放っておくということではありません。引越しの荷解きで飼い主が忙しくしていたり外出が多かったりすると、猫は不安になってしまいます。名前を呼んだり「ごはんだよ」などと声をかけたりして、いつもどおりの生活をすることが大切です。どこかに籠って出てこない場合なども、飼い主は「今までと同じようにあなたと接しているよ」ということを態度で示してあげると良いでしょう。

また、慣れてきたら以前遊んでいたおもちゃやキャットタワーなどで遊んであげたり撫でてあげたりして、猫が安心できる時間を作りましょう。

猫のストレスサインに気を付ける

猫がストレスを感じると、ご飯を食べない、排泄をしない、下痢や嘔吐をするなど体調を崩すことがあります。その場合は飼い主もすぐ気付くことができますが、そのほかにも猫がストレスを感じている時にいくつかのサインを出します。

まず、おもちゃを追いかけたり噛んだりという遊び行動が少なくなります。好奇心を持って何かを探索するという行動も減ります。そして、しつこく鳴いたり、トイレ以外で排泄をしたりとこれまでにない問題行動が増えていきます。また、毛づくろいや水を飲む、食事をするなどのセルフメンテナンスが目に見えて減少します。うなる・威嚇する・噛みつく・ひっかくという攻撃・防御の行動が増えることもあります。猫のことをよく観察して、いつもと違う行動が見受けられたら注意が必要です。

まとめ

今回は猫と一緒の引越しについてご説明しました。私たち人間でも大変な引越しですが、環境の変化に敏感な猫にとっては大きなストレスとなってしまいます。大事な家族の一員が引越し先でも安心して暮らせるように、十分な配慮をしてあげましょう。