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費用の計算
  • 引越し費用が会社負担になるかどうかは就業規則などで事前確認できる。
  • 引越し費用が会社負担であっても、一部自己負担となる費用があるので注意が必要。
  • 会社が指定する引越し業者でないと引越し費用が支給されない場合があるので注意が必要。

会社から転勤を命じられたときに生じる悩みの一つに引越し費用があります。「転勤は会社の都合なのだから引越し費用は会社に負担してもらいたい」と思うのは当然です。しかし、会社が負担してくれるとしてもそれが全額なのか一部なのか、はっきりと把握していない方も多いでしょう。そこでこの記事では、会社と個人がそれぞれ負担する引越し費用の範囲や転勤で受け取れる手当などをご紹介します。本記事を読み進めることで、転勤に伴う費用負担の不安が解消されれば幸いです。

転勤にかかる費用についての考え方

ドルと住宅

会社から命じられて転勤を予定されている方は、転勤に伴う費用についてはすべて会社に負担する義務があると考えているかもしれません。確かに会社の都合によって労働者に金銭的な負担が生じることは考え難いかもしれませんが、実は法的義務があるわけではありません。ここでは転勤の費用負担に関する一般的な考え方や、確認すべき書類などを解説します。

基本的には会社が負担する

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が平成29年1月11日に行った「企業における転勤の実態に関する調査」によると、企業が社員に転勤を命じる目的は以下のとおりとなっています。

このように、転勤は上記のような理由に基づく会社都合の業務命令であるため、原則として、転勤に必要な引越しの費用は会社が負担します。ただし、繰り返しになりますが転勤に伴う費用を会社が負担する義務はないため、     会社の意向次第で引越し費用を会社が全額負担することも社員に全額負担させることも可能です。会社負担となる費用は、「就業規則」や「転勤取扱規定」「雇用契約書」などを確認しましょう。

会社負担になりやすい費用

「まずは会社負担になりやすい引越し費用の傾向を知りたい」という方向けに、ここでは賃貸物件への引越しにフォーカスして、会社が負担する可能性が高い費用を解説します。

新居にかかる敷金・礼金・仲介手数料

賃貸物件を借りると、礼金や敷金だけでなく、仲介業者をはさめば仲介手数料が発生します。これらの費用は会社負担となるのが一般的ですが、敷金のように退去時に返却される可能性のある費用は会社が負担しない場合もあります。

新居となる賃貸契約にかかるその他の費用

賃貸契約を行う際は、敷金・礼金だけでなく、入居消毒や火災保険への加入、鍵交換などの費用も支払わなければなりません。これらも多くの場合会社が負担します。なお、入居消毒は入居前に行われ、火災保険は多くの物件において賃貸契約締結時の条件となっています。鍵交換は任意で行われるものですが、防犯のためには交換しておいた方が良いでしょう。

自己負担になりやすい費用

自己負担になりやすい費用の内訳を事前に知っておけば、引越し費用を抑えることができるかもしれません。

新居の家具や家電

引越しをする際、運搬費用をできるだけ少なくするために、旧居で使用していた家具や家電を廃棄して引越し後に新たに購入しようと考えている方は多いかもしれません。しかし、新たに家電などを購入する費用は多くの場合自己負担となります。そのため、まだ使用できる家具や家電などは、廃棄せずに新居でも使用した方が結果的に全体の引越し費用をおさえられるでしょう。ただし、単身赴任で転勤する場合は、どうしても家電などを新たに購入する必要があるでしょう。そのような場合は、中古品や家具家電付きの賃貸物件を利用すればある程度費用をおさえることが可能です。

自家用車の運搬

車の運搬には特殊な方法が必要で移動距離によっては多額の費用が発生することもあり、自家用車の運搬費用を会社が負担するケースはほとんどありません。ただし、なかには半額程度を負担する会社はあるようです。

自家用車を運搬する場合は、引越し業者の有料オプションや引越し業者が提携している車両運送業者を利用するといった方法があります。いずれの場合も移動距離によって費用が決まりますが、引越し業者に依頼した場合の費用相場は以下のとおりです。

なお、陸送業者を利用すれば若干ではありますが安くなる可能性があります。どうしても運搬費用をおさえたい場合は、陸送業者の利用とあわせて、たとえ遠方でも自分で運転して転勤先まで車を運ぶことを検討しましょう。

特殊な荷物(動植物・ピアノ・美術品・ペットなど)の運搬

ピアノや観葉植物、美術品、ペットなどは「特殊な荷物」に分類され、引越し業者によっては運搬を断られる場合もあります。運搬が可能であっても、自家用車と同様に特殊な運搬方法をとらなければなりません。そのため、基本的には引越し業者の有料サービスを利用することになります。会社が負担する引越し費用は、あくまでも引越しにかかる基本料金のみが基本なので、このような別途発生する特殊な荷物の運搬費用は自己負担となります。また、下記の費用についても基本的には自費負担となることが多いようです。

  • 引越し先までの交通費
  • 退去時の壁紙などの修繕費
  • 会社の規定を超えた分の引越し費用

その他の会社が負担する手当

社員が転勤する場合、会社から転勤者に手当が支給される場合があります。会社が支給する手当にはさまざまな種類があり、転勤者の条件や家族構成などによって異なります。ここでは、代表的な3つの手当についてご紹介します。

単身赴任手当

単身赴任手当とは、家族を持つ方が転勤先で一人暮らしをする場合に支給される手当です。家族と別に暮らす場合は光熱費などの生活費が二重に発生することになり、金銭的な負担が大きいことから手当が支給されます

支給額は会社の規模に応じて大きくなる傾向にあります。平成27年10月15日の厚生労働省による「平成27年就労条件総合調査の概況」によると、単身赴任手当・別居手当の労働者1人あたりの平均支給額は次のとおりです。

全体の平均支給額は46,065円です。なお、「就業規則」や「転勤取扱規定」「雇用契約書」などに手当に関する記載がなければ支給されない可能性もあります。

帰省手当

帰省手当は、単身赴任をしている方に支給される手当です。単身赴任をすると定期的に家族の元へ帰省するケースが大半ですが、帰省時に必要となる旅費の負担が大きいことで、移動距離によっては自費で帰省することが困難な場合もあるでしょう。そのため、会社によっては、単身赴任をしている社員に対して帰省手当を支給する場合があります。会社が帰省手当を支給している場合は、手当を受けられる回数や限度額などを確認しましょう。

再入園・再入学のための費用

家族で転勤先に引っ越す場合に、子供が転園・転校する際にかかる入学金を補助する手当を支給するケースがあります。この手当の名目は「再入園料」や「入学金負担金」と記載されています。公立学校への転校であれば入学に必要な費用は大きな負担となりませんが、私立学校への転校では多大な費用が必要となるためできるだけ手当を活用したいところです。

転勤で引っ越す際の手続き

家と現金

ここまでは、転勤で引越しをする際に会社が負担する引越し費用と自己負担になるもの、そして受け取り得る手当などを解説してきました。上手く活用すれば、転勤による金銭的な負担を最小限におさえられるでしょう。しかし手続きを怠ってしまえば、本当は申請できたにもかかわらず補助を受けられないといった事態が起こりかねません。そこで、ここからは転勤で引っ越す際に確認したいことや残しておくべき書類などを解説します。

会社が引越し費用を負担する場合は一律支給か実費支給かを確認

会社が負担する引越し費用の詳細は「就業規則」や「転勤取扱規定」「雇用契約書」などに明記されています。転勤を打診されたり転勤が確定していたりする場合は、まずは就業規則などを見て、引越し費用の会社負担についての記載箇所を確認しましょう。会社負担があるかどうかの確認だけでなく、支給方法(一律支給や実額支給など)や負担範囲も詳細まで確認することが必要です。具体的には、礼金や仲介手数料だけでなく敷金も会社が負担するのか、自家用車の運搬は全額自己負担なのか一部会社が負担するのかなといった具合です。引越しの計画を立てるにあたっては、就業規則などの内容を踏まえて予算を決めたり引越しの計画を立てたりすることをおすすめします。

領収書の保存

会社が引越し費用を負担する場合、見積書や領収書の提出を求められることがあります。領収書は会社が経費算をする際に必要な書類なので、一時的に引越し費用を自分で支払う場合には忘れずに領収書を保存しておきましょう。なお、引越し業者が料金を会社に請求できる場合や、会社が引越し費用を一律で支給する場合は、領収書を提出する必要はありません。

費用の請求

一時的に引越し費用を自分で支払う場合、最終的に会社に費用を支払ってもらうには、後日会社に請求しなければなりません。費用の請求を怠っていては、本来あるはずの費用補填も受けることができません。保存しておいた領収書を添付しつつ、忘れずに請求しましょう。

入金の確認

引越し費用の入金も忘れてはいけません。何かしらの手違いで入金が漏れていたり遅れていたりする可能性もあるため、その後の生活に影響を及ぼさないためにも、まずは会社に入金時期を確認しましょう。その後、入金時期が訪れたら、引越し費用が口座に入金されていることを確認してください。

引越し費用が会社負担の場合の注意点

会社によっては引越し業者が指定されている場合があり、指定の引越し業者を利用しないと、引越し費用が支給されない場合があります。引越し業者を選ぶ前に、まずは会社の就業規則等の確認をすることがおすすめです。また、会社によっては引越しの領収書を提出しなければいけないケースもあります。紛失しないように手元に保存しておくと良いでしょう。

会社負担で引越し、自己負担額をなるべく少なくする方法

少しでも引越しを安く行うには、引っ越すタイミングの調整以外にもいくつか方法があります。

  1. 複数の見積りをとる
  2. 見積りのために訪問してもらう
  3. 引越し前に不用品を処分する
  4. 荷造りや梱包を自分で行うプランを選択する

1.複数の見積りをとる

会社負担であっても自分で引越し業者を選べる場合は、複数の業者に見積りを依頼しましょう。業者ごとにおおよその料金を算出してくれるため、どの業者でどれだけお金がかかるか概算できます。

見積りを依頼する際は、一社ずつ連絡する方法に加え、Web上にある一括見積りサイトを利用する方法もあります。一括見積りサイトは手軽に多くの見積りを取れますが、利用すると複数の業者から営業の電話がかかってくるデメリットもあります。そのため、強く希望する特定業者がある場合は直接連絡するのが良いでしょう。なお、業者の候補は引っ越す距離に応じて変更しましょう。近距離では中小業者も候補に入れて、遠距離では大手を重視して考えます。

また、見積り結果は金額だけを見て判断せず、見積り内容に含まれているサービスも確認しましょう。

金額が安くても段ボール箱やガムテープなど各種引越し資材の費用が含まれていない場合、実際に申し込んで支払うと予想以上に多額の料金が請求される恐れがあります。また、連絡時の対応から引越し業者の質を測ることも重要です。いい加減な返答やメールの誤字が目立つような業者では、申し込んでからも良好なサービスは期待できません。

2.見積りのために訪問してもらう

見積りを受けるときには引越し業者に自宅まで来てもらうことをおすすめします。電話やインターネットでの見積りも可能ですが、荷物の量が自己申告になるため正確な量を伝えられない場合が少なくありません。万が一、申告した荷物が積み切れなかったというようなトラブルを避けるために、一般的な業者は申告よりも多めの荷物量を想定して見積りを出す傾向にあるようです。

自宅に業者が訪問しての見積りであれば、ベテランの引越しスタッフによる見積りで正確な料金を知ることができます。ほとんどの場合で電話やインターネットでの見積りよりも訪問見積りの方が料金を安く判定できるようです。業者によっては見積り料金からさらに安くするように交渉することも可能です。

3.引越し前に不用品を処分する

見積り前に不要な道具をなるべく多く処分しておくと料金が安く済みます。荷物が多いと運搬時に大きなトラックが必要になり、その分料金も上がるためです。引越しを決めたら見積りの前に荷物を整理して、いらないものを廃棄・売却など何らかの手段で手放してしまいましょう。荷物が少なければ見積り後の荷造りや引越し当日の運搬、新居到着後の荷解きの手間も減ります。

「しばらく使っていないがいずれ使うかもしれない」というものもなるべく処分します。引越しは持ち物を減らす絶好のチャンスであるため、なし崩し的に残しているものを一掃してしまいましょう。捨てるのが忍びない場合は、使ってくれそうな人に譲ったりリサイクルショップに回収してもらうという手段もあります。

4.荷造りや梱包を自分で行うプランを選択する

引越し費用を抑えたい場合、荷造りや梱包は引越し業者に任せず自分で行いましょう。引越しのプランによっては業者が運搬だけでなく荷造りなども代行してくれるものがありますが、荷造り程度ならば自力でも十分可能です。少しでも安いプランにすることで出費を抑えられます。

荷造りを行うときには、なるべく玄関から遠い部屋を優先します。玄関付近に梱包済みの箱が積まれていると邪魔になり、万が一災害が起きた場合に避難に支障が出る危険もあります。梱包の順序は、季節外れのものや思い出の品といった当面使わないものを先に梱包しましょう。反対に、日用品など毎日のように使うものは最後まで梱包してはいけません。段ボール箱に詰め込む量の目安として、一箱を一人で持てるくらいの重さに抑えるとちょうどよくなります。重いものは少数だけ入れて、軽いものは一箱に多数まとめてしまいます。荷物を詰めた箱には中身とキッチン、寝室、リビングなど新居での使用場所を書いておくと、搬入や荷解きの際に便利です。

まとめ

転勤を打診されて、多大な費用がかかってしまうと不安に思っていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。転勤は会社の業務命令なので、就業規則の内容に応じては自己負担する引越し費用をおさえることができます。それだけでなく、会社によっては転勤者に手当を支給して生活や移動にかかる費用を補助してくれます。会社の制度を上手く活用してコストをおさえて新生活を始めましょう。